GNOSISノーシス
プラクティスガイド
サマエル・アウン・ベオール著
中野 憲司編集
序文
本書は、近代的ノーシスの創始者である、
サマエル・アウン・ベオール氏の数多くの著作、
及び講演録の中からプラクティス関連の部分を抽出して、
実践ガイド用に編集したものである。
近代的ノーシスとは、ドイツ聖堂騎士団(以下OTOと略す)
のノーシス派より独立した団体である。
ドイツ軍医であったアーノルド・クルム・ヘラー博士により、
メキシコに設立されたOTOはやがて姿を消すが、
サマエル氏によりノーシス運動が形成され、
1980年代を中心に南米を中心に世界へ広がった。
サマエル氏の死後、
氏の教えは形を変え今尚多くの人に影響を与えている。
残念ながら、数多くの秘教団体の轍を踏み、
現在では曲解され歪められて伝えられていることも多い。
日本でも学研の月刊誌「ムー」を通じて、
OTOやノーシスの本質ではなく、ごく一部の情報が伝えられ、
ノーシスおよび関連団体に大きな誤解を生むことになった。
我々の使命は本来の教えを中心に人類の真の進化と覚醒のため、
正しい情報を伝えることである。
このOTOおよびノーシス運動の根幹となる教えは、
失われた古代の教えの復活である。
これらの教えの起源は、はるか遠い創世記であり、
それは現在の人類が想像するよりもはるか昔である。
アトランティス文明が滅んだ一万二千年以降、
叡智、すなわちノーシスは、
世界中に宗教の衣を借りて長らえてきた。
インドの叡智である「ヴェーダ」はその断片であり、
この教えの中には大聖ババジが伝えたとされる「クリヤヨーガ」
も含まれる。
残念ながら、パラマハンサ・ヨガナンダ大師が伝えた、
「クリヤヨーガ」の教えは、ババジの教えの一部であり、
その理由は、人類が教えを受ける準備がなかったためである。
今や地球規模の大異変と人類存亡の危機が迫っているが、
愚かな私たちはこの事実に向き合えないでいる。
高次元から人類を見守り指導している、白色同胞団は、
このことを憂慮して我々に秘教を公開させたのである。
物事には順番があり、すべての教えを一度に公開することは、
大変危険であり、読者には忍耐と努力が求められる。
根気強くノーシスを研究して実践する読者には、
測りし得ない恩恵が与えられるだろう。
実際、我々の文明は初めてのものでも最後のものでもない。
現在の人類と文明は遠くない未来に滅びるが、
この叡智、ノーシスは受け継がれるだろう。
次世代の人類はさらに進化してより完全なノーシスを理解する。
その文明はさらに進化して、
現在我々が天使と呼ぶ段階に到達する。
アトランティスの時代、
人類は月だけではなく太陽系全てを探訪して、
現在高次元に住む各惑星の人類と交流していた。
人類がカルマの鎖に繋がれた時、カリユガの闇の中に入った。
疑いようもなく人類の意識は深く眠り、
どこから生まれ、何のために生まれ、
死後どこに行くのかさえ、わからないまま人生を終える。
迫る天体的な大破滅を観測するため、
遠くは銀河のはるか遠くからも、
地球外生命体が頻繁に調査に来ている。
ノーシスの教えとは、
1.性エネルギーの変換
2.エゴの撲滅
3.黄金の体の生成である。
「性エネルギーの変換」とは完全なクリヤ・ヨーガである。
「エゴの撲滅」とは意識の目覚めであり、
これなくして1.3.は不可能である。
「黄金の体の生成」とは7つの体を結晶化させることであり、
それは各体のクンダリーニの完全な覚醒が必要である。
クンダリーニとは火であり中世の真の錬金術師が教えたように、
聖なる竃(かまど)の中で卑金属を純化させ、
不純物であるエゴを取り除くことで黄金の子が誕生する。
7つチャクラはクンダリーニ、聖なる蛇の結節であり、
これらの結節が、
「怒り」「貪欲」「情欲」などの欲望で塞がれている。
十戒、ヨーガのヤマ・ニヤマ(禁戒・訓戒)、仏教の五戒は、
7つのチャクラの目覚め、クンダリーニの覚醒と、
深く通じており、自己を深く理解することこそ、
真のクリヤ・ヨーガに通じる道である。
本書は南米で出版された「Unvailed Practices』を、
読者の便宜を考慮して、一部改編している。
本書は新しい試みである。
ノーシスの教えをすべて理解することは困難ではあるが、
本書で紹介したプラクティスを実践するのであれば、
読者の見識は大きく広がるであろう。
日々のプラクティスの座右の書として、
本書が活用されることを願ってやまない。
2021年7月