自己想起
人々はいつも物事に心を囚われていて、
自己を想起することがない。
「悟り」意識の目覚めを起こすには、
日常生活で常に自分自身を想起する必要がある。
どのような事柄にも、
「われを忘れる」ことなく、自己想起する必要がある。
どのような出来事にも、「われを忘れる」前に、
「私はどこにいるのだろうか?」と、問いかけるのである。
「物質世界にいるのか?」「アストラル界にいるのか?」
それから空中に浮くつもりで小さくジャンプしてみる。
もし浮いたとしたら、
それはまさしく、肉体の外に出ているということである。
その結果、意識が目覚めるだろう。
あらゆる瞬間に自分自身に、問い掛けるその目的は、
潜在意識(アラヤ識)にこの問いかけを刻印するためである。
刻印するならば、眠りの間にも同じ質問をするだろう。
(訳注:眠りの間、アハンカーラ(心の鞘)
エゴ(複数の我)は、肉体の外にいる。
そのため人は通常は「われを忘れ」日常や欲求の夢を見る。)
エゴは肉体の外にいるが、
実際のところ、人々はアストラル界に漂っている。
アストラル界で見える事物は、
物質世界で見る時と同じように見える。
そのため睡眠中だけではなく死後も、
人々は物質世界にいるように感じるのだ。
誰も自分が肉体の外にいると気づきもしない。
死者の多くは自分の死を信じない。
事物に魅了され、意識が深く眠っているためだ。
もしも、彼らが生きている間に、
一瞬一瞬、自己想起のプラクティスを行っていたなら、
また、自分を魅了するこの世のものと闘っていたなら、
意識の目覚めに至ることが出来たであろう。
『完全なる結婚」より
覚醒の鍵 SOL(太陽)
一瞬一瞬において、自己について綿密に思い起こすこと、
それは意識を目覚めさせるために重要な鍵である。
それは、どのように注意を払うかを学ぶことを意味する。
ノーシス(叡智)の学徒は注意を三つに分割することを学ぶ。
1.主体(S) 2.客体(O) 3.場所(L)
(繋げるとSOL:スペイン語で太陽の意味。
本書の原文はスペイン語である。)
主体(Subject):どのような状況に遭遇しようとも、
自己を想起する。自分自身を見失ってはいけない。
客体(Object):あらゆる物事状況、事実、事件に対して、
それが取るに足りないものであっても詳細に観察する。
その間自分自身を忘れてはならない。
場所(Location):自分がいる場所を綿密に観察し、
次のように自分自身に問う。
「私は何処にいるのだろうか?」
「なぜここにいるのだろうか?」
この場所(Location)において、
ディメンション(次元)について、
自己に問いかけることが求められる。
なぜならば、私たちが気づかないうちに、
四次元、五次元にいる可能性があるからだ。
自然界には七つのディメンションがある。
三次元世界では、引力の法則に縛られている。
高次元の世界では空中浮揚の法則が作用している。
自分の居場所を観察する際には、
自然界の七つの次元への質問を決して忘れてはならない。
それゆえ次のような問い掛けをすることが適切である。
「私は何次元にいるのだろうか?」
そしてその時、次元を確かめるために空中に浮くつもりで、
出来る限り遠くへジャンプをしてみよう。
もし空中に浮かんだならば、
あなたは今、間違いなく肉体の外にいるということだ。
ベッドの上で肉体が眠るあいだ、
月の体に覆われたエゴと、その中に閉じ込められている魂は、
無意識のまま夢遊病者のように分子世界を彷徨い歩く。
このことを決して忘れてはならない。
注意を主体(S)客体(O)場所(L)に分割すること。
このワークが意識の目覚めを起こす。
ある叡智の学習者は、常日頃にこのワークを行っていた。
白昼、目が覚めている間、あらゆる瞬間に、
注意を三つのパートに分割して質問していた。
さらに彼は小さくジャンプするという、
前述のエクササイズを習慣づけていた。
その結果、肉体が眠りについている時にも、
同じように自分自身に問いかけるようになった。
ある日、彼は高次元の世界にいる時、
自分に問いかけ、軽くジャンプをしてみると、
空中にふんわりと浮いたのだ。
その時、彼の意識が覚醒した。
そして、肉体がベッドで眠っていることを理解した。
彼は喜びのうちに、高次元の世界を探求し、
「生と死の神秘」について研究したのである。
ポイント
このワークはシンプルで論理的だ。
注意を分割するエクササイズを一瞬一瞬実践する。
すると、このエクササイズが習慣化される。
マインド奥深くに力強く刻まれる。
その結果、睡眠中にも、
このエクササイズを自動的に繰り返すことになる。
睡眠中には私たちは肉体の外にいるため、
このワークは意識の覚醒を起こすのだ。
「ヘルメティック占星術の秘教論文」より