第9章 隠者 Tet
1.イニシエーション(灌頂)とは人生そのものである。
2.神智学や薔薇十字学の著者たちは全員、
イニシエーションについて何も知らず、
真実を捏造したに過ぎない。
3.神智学や薔薇十字学の著作の中に、
真正なイニシエーションとは何の関係もない話が
無数に散見されるのは彼らが何も知らないからである。
4.神智学や薔薇十字学の風変わりなおとぎ話は、
神秘学の生徒の心を裏切ったに過ぎない。
5.イニシエーションとは人生そのものである。
これこそ真実なのだ。
6.イニシエーションを受けるのはインティモ(内なる自己)である。
7.インティモが寺院の祝典に出席し、イニシエーションを受ける。
8.弟子が能力を発達させていない場合は、
自分がイニシエーションを受けたことに気づきさえしない。
9.イニシエーションの力とはインティモの力である。
10.しかしパーソナリティ(人格)に十分な能力がない場合は、
弟子はイニシアチック(奥義参入の資格)な力を
持っていることにすら気づかないであろう。
11.このように、イニシエーションとは、
神智学や薔薇十字学の作品に溢れている
おとぎ話とはまったく関係が無い。
12.弟子が人類のために自分を犠牲にした時に、
ロゴスは支払いとしてパワー(力 権限)を彼に与える。
13.何も借りが無いのであれば、何も支払われないであろう。
14.イニシエーションとは、
弟子が人類のために自分を犠牲にした時に、
ロゴスが支払いとして彼に与えるものなのだ。
15.自分の精神的進化のみを気にかけて、
他者のために働きかけない者は何も得ることはない。
16.進歩したいのであれば、
他者のために自らを犠牲にして働く必要があるのだ。
17.自分の与えられたイニシエーションの位階を口にする者は
極めて致命的な間違いを犯している。
秘教的年齢は非常に個人的かつ神聖なものだからだ。
18.このように、イニシエーションとは、
実直に愛を持って熱烈に生きる人生そのものなのだ。
第10章 運命の輪 10のセフィロトYod
1.人間は10の原理から創造された。
2.人間とは、
第一の原理ケテルであり、“日の老いたる者”である。
3.第二の原理はコクマーであり、
それは私たちの中にあるコスミック・クリストである。
(宇宙的キリスト)
4.第三はビナーであり、
それは私たちのうちに存在する聖母、聖霊である。
5.第四はケセドであり、
このケセドがインティモ(内なる自己)である。
6.ケセドとは聖母が掲げている、貴いランプ(灯火)である。
7.第五はゲブラーであり、
私たちの神聖霊、最高意識(ブッディ)である。
8.第六が人間霊であり、ティファレトのことだ。
9.第七はメンタル身体(思考体)、ネツァクである。
10.第八はホド、アストラル体(星幽体、感情霊)である。
11.第九はイェソド、エーテル体(生命体)である。
12.第十がマルクト、物質的な身体(肉体)である。
13.モーゼは自身のうちにビナーを受肉することに成功したが、
それ以上の進化を遂げられなかった。
14.コクマーであるコスミック・クリストの受肉に成功した者、
彼らこそ幸福な者である。
15.さらに幸福なのは、自分自身のうちに“日の老いたる者”、
“最高の優しさ”、“絶対なる至高我”を受肉した者である。
16.ホレブ山の燃える柴の中からモーゼの前に母は現れた。
モーゼが地にひれ伏すと、
母、ビナー、アドナイ・イエホヴァは彼の中に入ったのだ・・・。
17.このようにして、モーゼはイルミネイト(啓発)されたのだ。
18.10のセフィロトは原子的である。
19.秘教的年齢で30万歳に到達した時、
“日の老いたる者”の体内では、
10のセフィロトは宝石のように輝く
20.秘教的年齢とは秘教的時間のことである。
21.秘教的時間は聖なるものであり、意識状態と関係する。
22.秘教的年齢と世俗的な暦年齢とは何の関係もない。
23.セフィロトがアダム・カドモンの体を形成するのである。
24.人間が完全に自己実現を成し遂げると、
彼はアダム・カドモンの王国に入る。
25.アダム・カドモンの王国も遂には“絶対“の中に吸収される。
そこでは生命は活動から解放されて輝くのである。