今日から第5章に入ります。
聖書の例え話を、ヴェーダの見地から
グルデブシヴァーナンダジが解き明かしていきます。
これらの言葉によって
みなさまの生活 霊 言葉 思いが 神聖化されますようにOM
第5章 主イエスの恵み
⒈家を建てる人の譬え話
ある賢明な男が堅い地盤の上に自分の家を建てた。
彼は土を深く掘ると、基礎となる岩を並べた。
家は天候の変化に見舞われ、多くの嵐に襲われ、雨が降り、
波が岩に叩きつけもしましたが、家は安全だったのです・・・・
それは岩の上に建てられたからなのでした。
愚かな男が砂の上に家を建てました。
雨が降りました。風が吹き、洪水が起こりました。
家の壁が崩れ落ち、多くを失いました。
なるべくしてそうなったのです。
賢明な人とは、
霊的な真理を学び、その教えを生きる人のことです。
彼の知恵と人生は、実践という堅実な岩石に基づいています。
彼の知恵と人生は、何が起ころうとも揺るぎません。
幸福な時も災いの時も、雨の時も晴天の時も、
誉れある時も惨めな時も、彼の知恵は変わることなく、
彼の人生は落ち着いているのです。
愚かな人とは、
霊的な真実を聞いたり、勉強したりするが、
その教えを生きることのない人のことです。
彼の知恵と人生は、
空論的理解の崩れゆく砂の上にあります。
人生における不運、病気、挫折や侮辱によって、
彼の知恵は崩れ落ち、人生は滅茶苦茶になるでしょう。
そうなると立ち直ることもできません。
ですから、賢明な人に倣い、
学んだことを身につけて、日常の生活で教えを活かすのです。
2.良きサマリア人
そこへ強盗団が待ち伏せしていたのです。
彼らは旅人を丸裸にすると暴力を振るいました。
旅人から持ち物を全て奪い取るためです。
そのため旅人は息も絶え絶えになりました。
そこに僧侶が通りがかりました。
呻いている男を見ましたが、
おそらく僧侶は自分のことで頭が一杯だったのでしょう、
そのまま過ぎ去りてしまったのです。
次にレビ人が来ました。
(イスラエルの部族の一つ 信仰が薄い者の象徴 訳注)
彼もまた、不幸な旅行者の泣き声を無視して、
旅人を置き去りにして行ってしまいました。
そこにサマリア人が来ました。
(イスラエル人と移民との混血の部族の一つ
信仰が篤い者の象徴 訳注)
イスラエルの正統派の人々にとっては、
サマリア人と関わることは罪とみなされていました。
旅人の前にひざまずき、応急処置をし、
傷の手当てをすると、自分の馬に乗せて旅館に連れて行き、
傷が癒えるまで滞在できるように、支払いまでしたのです。
この三人の中で誰が良き人ですか?
もちろんサマリア人です。
彼こそ良きサマリア人です。
憐れみを必要とする人に、憐れみを施す者こそ隣人です。
助けを必要とする人に、何もかも差し出せる人こそ、
「あなたの隣人を、自分のように愛しなさい」
という黄金の言葉を、身を以て証する人なのです。