試練と裁き
神への冒涜の罪を着せられ、
紛い物の裁判は大祭司カヤパの前でおこなわれました。
大祭司は次のように言いました。
「わたくしは、生ける神によって、汝を糾弾する。
そなたが、神の子、キリストかどうか述べなさい」と。
主イエスは答えました。
「あなたはすでに言ったではないか。
しかしながら、私はあなたがたに言おう。
来たるべき時が来れば、
汝らは人の子が力ある方の右に座して、
天の雲に乗ってやって来るのを見るだろう」
祭司たちはこれを神への冒涜と受け取り、
主に死刑を宣告しました。
時を同じくして、
外でイエスを伺っていたペテロは、
主イエスの弟子ではないかと詰問されていました。
そして、恐れのあまり、彼はそれを否定したのです!
そして三度、イエスの弟子であることを否定した時、
鶏が声高く鳴いたのです。
ペテロはその途端、みずからの過ちに愕然としました。
そしてその場を離れると激しく泣き崩れたのです。
主イエスは、その後、
ローマの知事であるポンティス・ピラトの前に引き出されます。
しばらくして、ユダはみずからが犯した過ちを悔いて、
祭司のもとに行き、銀貨を投げつけてこう言いました。
「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」
しかし、時すでに遅し!
彼は外に走り出ると、首を吊ってしまいました。
十字架上のキリスト
ピラトによる裁判も先のものと同様の茶番でした。
司祭と長老たちは主に対して多くの罪を犯しました。
彼らは何度も何度も叫びました。
「彼を十字架につけよ!」と。
しかし、ピラトの妻は奇妙な夢を見て、
夫が無実の主イエスの血を流すべきではないと感じたのです。
彼女は彼にそう助言しました。
ピラトは、主の死が避けられないと悟った時、
水を用意すると、
この恐ろしい罪から免れようと手を洗いました。
ピラトには主が無実とわかっていたので、
彼を解放するために最善を尽くしたのでした。
しかし、司祭や他の人たちは、彼らの主張を押し通しました。
イエスは十字架上による死刑判決を受けたとあと、
ゴルゴタと呼ばれる場所に連れて行かれました。
イバラの冠が主の頭に被せられたのです。
ゴルゴタで主は十字架に磔にされました。
その時、主は言われたのです。
「父よ、彼らを許してください、
彼らは自分が何をしているか分からないからです」と。
の文字を掲げさせました。
そして、多くの人が主のこのさまを見て嘲り笑いました。
しかし、主は動じることはありませんでした。
十字架の側には、イエスの母と、母の姉妹、
十字架のイエスはしばらくすると、
「わたしは渇く」と叫びました。
すると護衛は彼に少量の気つけの酢を与えます。
終わりの時、主は叫びました。
「父よ、私の霊をあなたの手にまかせます」
こう言い残すと、主の霊は肉体から離れたのです。