明らかにされたクリヤヨガ

伝統的なヨーガの情報とクリヤヨガの技法をお伝えします

伝統的なヨーガの教えとクリヤヨガ の技法をお伝えします

 8.タントラ夢見術

  

夢はアストラル世界の入り口

夢のノートをつけることは重要だ。

定期的に夢の記録内容をチェックしてみよう。

夢の内容を調べることで、精神的進化の度合いを確認できる。

時代が違っていたり、環境(国や性別など)が、

今の生活とはかけ離れていたりなど、

それらの夢は非常に興味深いものだ。

意識覚醒を志すものは、

常に「知覚するものを油断なく識別する。」

「変わった事柄に対して敏感。」であるべきだ。

人々との関係性、会話の内容、仕事場や寺院にいるのかなど、

一つ一つに疑問を持ち、何か一風変わったことはないのか、

そのように注意をして日常の生活を過ごすことが求められる。

(なぜならば、夢の中も死後も人々は眠りこけて、

この三次元の生活を繰り返すから。)

 

記憶再生のエクササイズ

眠りから覚めたならば、肉体を極力動かさないようにして、

次のマントラを心の中で繰り返し唱える。

RAOM GAOM ラーオーム ガーオーム

このようにして、夢の記憶を保持する。

 

 

夢の記憶を思い出したならば、

その内容だけではなく象徴などを記録する。

アストラル界では言葉ではなく、

象徴(シンボル)でメッセージが与えられる。

それは神からの啓示を意味することもある。

夢分析の科学は次の法則を基礎とする。

「哲学の法則」「反対解釈」「和の法則」「数秘学」

学徒は魔術の秘訣を身につける必要がある。

想像力で魔法の鏡を見る時、映し出されるイメージを

決して表面的に解釈してはならない。

(訳注:古典魔術には魔法の鏡を作成して、

メッセージを受け取る方法がある。)

夢の中のシンボルや出来事はシンボリックな表象に過ぎず、

それは思考の原型界から来ている。

いわば数学上の代数の記号のようなものである。

このような純粋な思考、シンボルは、

純粋な「魂の世界」を源としている。

ビーイング、存在の本質、「魂の世界」から降りて来た、

思考の原型である。

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現在の私たちは人として未完成であり、

いわば人間機械とも言える存在だ。

心理的変革を望む私たちにとって

「魂の世界」からの情報は大変貴重なものだ。

それは高等な霊性、秘教的事柄の源泉である。

また人生での成功の鍵について、

可能性や危険性についても教えてくれる。

心に留めておきたいのは、

それらは常にシンボルで表現されることだ。

象徴学(シンボリズム)を学び夢での出来事を解釈することで、

シンボルの本質的な意味を理解することができる。

また、夢やアストラル界での体験を本質的に理解するためには、

シンボルを解釈するだけではなく、

ビーイング、存在の本質、魂に向き合い瞑想することが大切だ。

つまり「聖なる母」の瞑想である。

古代からのナワトル文化(古代メキシコ)の叡智によると、

私たちの内には、特別な存在が臨在していて、

それは宇宙の母と呼ばれている。

(宇宙の母:マリア ステラマリス イシス 観音など、

様々な姿形で人々の前に現れる普遍的存在。

創造主の第二ロゴス、女性的側面、慈愛の権化。)

 

 

古代アステカ文化はその起源をアトランティスにもつ。

聖なる母は一人一人の内に存在し、

いかなる形でも変化し姿をあらわす。

なぜならばすべての被造物は彼女から生まれたから。

そのように古代の智慧の書には書かれてある。

聖なる母の名前はトナンツィンと言う。

(Tonantzin:ナワトル語で〈われらの母〉

古代アステカの聖母。デヴィ・クンダリニーを意味する。)

 

智慧の探求者は聖なる母を瞑想して眠りに入る”

 

探求者は就寝前に大いなる信仰を持ち、

次の祈りを何度も繰り返し唱える。

 

 

エクササイズ

 

「トナンツィン!テテオイナン!おおわが母よ。

ここに来たまえ!ここに来たまえ!」

 

(訳注:テテオイナン(神々の母の意)はトナンツィンの別名。

他に女神テマスカルテシも有名。テマスカルテシを語源とする、

テマスカルの守り神である。

母なる大地の胎内を意味するテマスカルは、

「蒸し風呂」を意味して、治療に用いられてきた。)

 

 

これはタントラの科学である。

探求者がこの秘教エクササイズを根気よく続けるならば、

すぐにでも初歩的な兆しが夢に現れてくる。

そのような兆候を見逃さないためにも、

毎日ノートに記録を残していく。

ぼんやりと形をなさない曖昧なものから、

出来事やシンボルに至るまで書き留めていこう。

 

「タントラ夢見術」の秘教エクササイズでは、

夢を書き留めておくだけではなく、

分析し調査することを日々行う。

なぜならば、この作業を通して、

夢は初歩的な兆候から統合的なものへと変化するからだ。

(夢を通して、深く高次元の世界に繋がり始める)

このタントラの訓練を実践する者は、

間違いなくさらなる進化への準備を調えられる。

『タロットとカバラ」より

  

 

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瞑想により心理を浄化する

例えば、あなたの妻が見知らぬ男性と密会している。

それが、真実でもなくても、見聞きしたならば、

あなたは居ても立っても居られなくなるだろう。

心が騒ぎ抑えられなくなる。

これは「複数の我」の一つ嫉妬の我(エゴ)によるものだ。

次に「自尊心の我」が傷つけられたと感じ、

怒りふつふつとこみ上げて来る。

ついには、侮辱されたことへの憎しみが噴き出して、

恐ろしい事件を起こすかも知れない。

(たとえ、それが誤解でもあってもだ)

もし、皆さんが、恐ろしい不幸を生み出す「複数の我」を、

取り除くことを望むのであれば、

一つ一つの「我」に焦点を合わせなければならない。

「複数の我」がどのように自己の内面で働いているのかを、

調査研究するのである。

「他の我と共に何が起こったか?」

「自分はそれらの我をどこにしまっておいたのか?」

「それはいつからか?」

というように調査をしていく。

 

 

論理的思考を持って、現実を見つめよう。

そうすれば、

このワークは緊急に行うべきものと結論できるだろう。

この心理的ワークを遅らせることはありえない。

遅らせば、人生をさらに悪化させるだけだろう。

(誰もが人生の犠牲者と感じるのはこのせいである)

この心理的ワークに着手して、歩みを止めてはならない。

さもなければ、人生は複雑化していき、

ついには失敗に終わるだろう。

人生を成功させるためには、実践的な戦略が求められる。

つまり、日々の日常生活において、

弛むことなく、自己観察と自己理解を実践することだ。

役に立たない教え、

偽神秘学の類に時間を費やすのをやめなさい。

根本的に自分を変えたいと真剣に望むなら、

これ以上時間を無駄に費やしてはならない。

「明日からしよう」多くの人はそう考えるが、

「明日という日」は永遠にやっては来ない。

「明日からしよう」という我を、除去しなげればならない。

それは「今日」行うべきなのだ。

ワークが心理に深く刻み込まれるまで粘り強く作業しよう。

 

 

  「複数の我」エゴ撲滅の瞑想

これから「我」溶解する瞑想について教えよう。

瞑想とは心を散漫にしたり、

まとまりのない考えを楽しむものでもない。

エゴを撲滅、溶解させるための瞑想において、

積極的な想像力、創造的な意志力、

そして集中力を働かせることが不可欠である。

これらは、真の瞑想状態に至るために必要である。

この心理的ワークには段階的なステップがある。

その段階は先に述べた三つのステップに要約できる。

 

1.欠点を「発見」し2.「理解」し3.裁判にかけ「根絶」する。

 

 

  「悟り」への瞑想のステップ

段階的に心理を浄化する

1.心身をリラックスさせて良質な瞑想を行う。

座り心地の良い椅子に腰を掛けるか、安定した姿勢をとる。

 

2.回想のエクササイズを行う。

問題となる「我」を浮き彫りにするために、

記憶を呼び起こし、様々な情景や出来事を再体験する。

それらを一つずつ分類分析していく。

「我」とどのように接するのか、取り組むのかを、

それぞれの誤りの重大さに応じて行っていく。

 

3.観察と深い理解。

決して「我」と同一視せず、同情しない。

内省的な分析を行う。

それぞれの欠点の立ち振る舞いを理解する。

 

4.最高度のインテグラル(統合的)分析へと進む。

外科医が用いるメスのような自己批判と分析を行う。

「我」を完全に根絶するために、

欠点をバラバラにして切断していく。

 

 

5.審判:内なるカオム(Kaom)の招喚。

カオム(Kaom)とは、完徳なる存在、

ビーイング(魂)の声である。

それは私たちの内の告発者「良心の声」である。

このステップでは、この声ゆえに、

私たち自身の過ちを理解して、罪を明らかにできる。

過ちにより、私たちは苦しみ、悲しみ。

人々は無知ゆえに、自分自身の甘えゆえに、聖なる法に反する。

その結果人々は不幸になっていく。

(聖なる法:この世の法律とは違い、霊的な法則が存在する。

モーゼの十戒やヨーガのヤマ・ニヤマの教えのように、

法を守ることは人の幸せにつながる。訳注)

私たちは過ちの元である「複数の我」を死刑にするために、

苦しみを与えてきた欠点すべてを、明らかにすべきだ。

 

 

6.我の根絶:我(エゴ)の死、撲滅。

このステップでは内なるシャクティクンダリニーを招喚する。

彼女、聖なる母であるクンダリニーの火だけが、

「我」を完全に焼き尽くし宇宙の灰にできる。

死を宣告した「我」を完全に根絶するために彼女を呼ぶ。

彼女に過ちの源であるエゴを撲滅するように懇願する。

この時、心の底から彼女に請い願うのである。

彼女がどのように欠点を刑に処し、完全に絶滅させるかを、

想像力を通して見て、感情を通して触れる。

そこにはいかなる同情もあってはならない。

躊躇なくエゴと決別しなければならない。

(訳注:聖書のイエスの山上の垂訓の言葉を思い起こされる。

もしあなたの右の目が罪を犯させるなら、

それを抜き出して捨てなさい。

五体の一部を失っても、

全身が地獄に投げ入れられない方が、あなたにとって益である。

もしあなたの右の手が罪を犯させるなら、

それを切って捨てなさい。

五体の一部を失っても、

全身が地獄に落ち込まない方が、あなたにとって益である。

マタイの福音書 5:29-30)

 

 

彼女の杖と槍が怪物の心臓に突き刺さっているのを見る。

そして昇華された性エネルギー(聖なる精液)を表す、

彼女の燃えるような剣がその首を斬り落とし、

完全に灰になるまで焼かれる様を見るだろう。

 

怪物が崩壊し縮んでいくと、やがてその姿は、

純粋で無邪気な子供に変わる。

これは「我」が、

魂の美徳を餌として生きてきたことを象徴している。

その子供の背後に青い炎が見える。

私たちのハートの内奥に存在していた美徳が、

エゴの崩壊により蘇ったのである。

 

あなたは幼子の心を取り戻して感謝するだろう。

このプラクティスを実践することによって、

これまで発達させてきた自己観察の能力を通して、

欠点が少しずつ死んでいく。

最後には完全に跡形もなくなる様子を見ることができる。

 

 

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「複数の我」の根絶の道、「覚醒の道」を歩む全ての学徒に、

はっきりと言わなければならない。

それは、「聖なる母に祈らなければならない。」ということだ。

夫婦として共に歩んでいる兄弟姉妹は、

グラン・アルカーノ(性魔術)を実践している、

性行為の最中に聖なる母に祈るべきである。

自分の欠点を根絶してもらうように、

聖なる母に懇願しなければならない。

ヴァジロリ・ムドラを実践している独身者も、

性エネルギー昇華の際に聖なる母に祈るべきである。

これらすべてのことは、

自分自身のための長い自発的な苦しみのプロセスである。

多大な忍耐と粘り強さによって成し遂げられるべきだ。

エスキリストが言ったように、容易な仕事ではない。

しかしながら、行く手を塞ぐ困難に心を煩わしてはいけない。

自分に働きかけるこの道を歩むのであれば、

欠点と共にそれらの障害も徐々に浄化され、

溶解していくものであるから。

 意識覚醒の必要性

 

友よ、私たちは目覚める必要がある。

一瞬一瞬、絶えず注意を怠ってはならない。

いつであろうと、注意を三つに分割することが肝心である。

主体(Sbject) 客体(Object) 場所(Location)

 

主体:一瞬一瞬寝ずの番を行う。自分自身を忘れてはならない。

思考、立ち振る舞い、感情、習慣、言葉などに関して、

油断を怠らないということを意味する。

客体:五感を通してマインドに入ってくるすべての事柄、

見て感じるものすべてを注意深く観察する。

決して物事と自分とを同一視してはいけない。

同一視することによって、

人は心を奪われ、意識を眠らせてしまうからだ。

場所:いまいる場所を見てみよう。

自分の家、部屋を毎日観察してみる。

まるで初めて始めてみるかのようにだ。

日々、次のように自分自身に問い掛けてみる。

「どうして私はこの場所に来たのだろう?」

「なぜ、このお店に来たのだろう?」

「このオフィスに?このお寺に?・・・etc?」

 

 

注意を三つに分割するということは、

「我の溶解」のプロセスから、遠く離れた課題ではなく、

同一の目的を持っている。

(訳注;意識は「複数の我」というエネルギー、

月のエネルギーの鞘に包まれている。

そのため、この「自我」の死がなければ、意識は目覚めない。)

自分自身の「複数の我」欠点を本当に発見したいと思うなら、

疑問の余地なく、自分自身を研究し観察する必要がある。

他の観点からもすでに言ってきたように、

一度発見された欠点というものは、

(仮に姿を消したかのように見えても)

不意に現れ、また自然に、自発的に姿を表すものだ。

(訳注:私たちの意識は「複数の我」によって分割され、

分散している。そのため自己コントロールが難しい。

自我を発見し、理解して、

溶解することが意識覚醒につながる。)

 

 

自分の行動、体の姿勢をただ観察する。

自分自身に対する不寝番とは、

内面のすべての心理的プロセス、

つまり、感情、激情、思考などについて、

冷静に調査研究することである。

内面で絶えず入れ替わる「複数の我」と自分を、

同一視することなく事物を観察しよう。

その時初めて、私たちは食欲、執着、野心などを、

どのように生じ私たちを動かしていくのか、

そのプロセスを調査研究できるのだ。

金銭に貪欲な性質の人にとっては、

目の前のダイヤモンドリングや札束などに、

心を奪われずに冷静でいることは大変なことだろう。

しかし注意を場所について合わせてみよう。

そうすれば、自分を俯瞰的に客観的にて、

自分の執着の強さや、魅了されている度合いを理解できる。

この注意を三つに分割する方法は、

自己発見と意識を目覚めさせるための完全な方法なのだ。

 

「地獄、悪魔、カルマについて」より

 

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7.悟りへの黄金の門 

心理的欠点の除去

心理的欠点を除去して、意識を浄化することが必要だ。

多くの人々はこのことを無視しているために進歩できない。

ノーシス派のグランド・マスターである、

サマエルと弟子との会話からこの課題を解説しよう。

サマエル

欠点をただちに発見し、取り除かなければならない。

しかしながら、欠点を取り除く前に、

まず、あらゆる自分の欠点と真摯に向き合い、

自分の主要な心理的特徴を知ることが必要である。

なぜならば、数知れない欠点の中でも、

あなたの性格を特徴づけている主要な欠点こそ、

心の奥深くに根を持って過去の生活を形成してきたからだ。

あなたの生活を形作ってきたこ根っ子を知るためには、

少なくとも5年間は徹底的に心理的ワークを行う必要がある。

 

 

弟子:マスターにお聞きします。

「欠点を除去するには、規律と厳格さが求められる。」

「欠点を発見したら理解し直ちに取り除かなければならない。」

そのようにおっしゃられましたが、分からない事があります。

私がこの質問をした理由は、

様々な欠点が日中に現れてくるからなのです。

例えば、朝に強欲が顔を出したあと、

次はカフェに出掛けるとプライドが出てきます。

さらに通りを歩いていると、

自分の車に文句を言われて、今度は怒りがこみ上げます。

このように様々な出来事に反応して、

様々な欠点が出てくるのです。

そうすると、主要な心理的特徴を捜している間に、

自分を見失って間違いを犯してしまうのではないでしょうか。

この点についてどのように理解し、

そして確実に心理的ワークに取り組むのでしょうか。

 

 

サマエル心理的ワークでは、

順序をもって行うことが必要です。

実際のところ誰でも同じように日常生活で翻弄されています。

しかしどのような場合でも、

(その場で理解しようとするのではなく)

夜になってから、まず心身をリラックスさせ、

あなたの生活について、場合によっては過去も含めて、

回想エクササイズ(振り返りを行う)を始めるとよいでしょう。

少なくても今生について行ってみましょう。

エクササイズ

次のように行いましょう。

日常の出来事を視覚化し、再現してみるのです。

一度再現して整理したならば、心理的ワークへは前進します。

はじめは、ある出来事に関して15分ほど掛かるでしょう。

別のものに30分費やしてしまうかもしれません。

また他の事柄には10分で済んだということも。

これはそれぞれの重要度によります。

ですから、まず出来事を整理してみましょう。

それから夜を待ち、

静かに整然と欠点の理解に取り組むのです。

 

 

弟子:そして別々に欠点を除去していくのですか?

あるいは、いっぺんに全てを除去するのですか?

 

サマエル:順番に取り組んでいきます。

あなたが理解しようとする出来事に対して、

発見 審判 死刑執行 

この三つの要素を始動させます。

それぞれの欠点に、この三つ要素を適用します。

実践方法

1.まず欠点を見つける。すなわち「発見」する。

2.そして「理解」する。

3.さらに聖なる母クンダリニーの援助で

「死刑執行」を行うのです。これが心理的ワークのやり方です。

あなたがもし、次から次へと欠点に取り組もうとして、

心理的ワークを行おうとすれば、途方にくれるばかりでしょう。

そうすれば困難に陥るだけですから。

『セカンド、サードチャンバーへの指針。メキシコにおいて』

より

 

 

 意識を目覚めさせる重要な鍵

  

 

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自己想起

人々はいつも物事に心を囚われていて、

自己を想起することがない。

「悟り」意識の目覚めを起こすには、

日常生活で常に自分自身を想起する必要がある。

どのような事柄にも、

「われを忘れる」ことなく、自己想起する必要がある。

どのような出来事にも、「われを忘れる」前に、

「私はどこにいるのだろうか?」と、問いかけるのである。

「物質世界にいるのか?」「アストラル界にいるのか?」

それから空中に浮くつもりで小さくジャンプしてみる。

もし浮いたとしたら、

それはまさしく、肉体の外に出ているということである。

その結果、意識が目覚めるだろう。

あらゆる瞬間に自分自身に、問い掛けるその目的は、

潜在意識(アラヤ識)にこの問いかけを刻印するためである。

刻印するならば、眠りの間にも同じ質問をするだろう。

(訳注:眠りの間、アハンカーラ(心の鞘)

エゴ(複数の我)は、肉体の外にいる。

そのため人は通常は「われを忘れ」日常や欲求の夢を見る。)

 

 

エゴは肉体の外にいるが、

実際のところ、人々はアストラル界に漂っている。

アストラル界で見える事物は、

物質世界で見る時と同じように見える。

そのため睡眠中だけではなく死後も、

人々は物質世界にいるように感じるのだ。

誰も自分が肉体の外にいると気づきもしない。

死者の多くは自分の死を信じない。

事物に魅了され、意識が深く眠っているためだ。

もしも、彼らが生きている間に、

一瞬一瞬、自己想起のプラクティスを行っていたなら、

また、自分を魅了するこの世のものと闘っていたなら、

意識の目覚めに至ることが出来たであろう。

 

『完全なる結婚」より

 

 

覚醒の鍵 SOL(太陽) 

一瞬一瞬において、自己について綿密に思い起こすこと、

それは意識を目覚めさせるために重要な鍵である。

それは、どのように注意を払うかを学ぶことを意味する。

ノーシス(叡智)の学徒は注意を三つに分割することを学ぶ。

1.主体(S) 2.客体(O) 3.場所(L)

(繋げるとSOL:スペイン語で太陽の意味。

本書の原文はスペイン語である。)

主体(Subject):どのような状況に遭遇しようとも、

自己を想起する。自分自身を見失ってはいけない。

 

客体(Object):あらゆる物事状況、事実、事件に対して、

それが取るに足りないものであっても詳細に観察する。

その間自分自身を忘れてはならない。

 

場所(Location):自分がいる場所を綿密に観察し、

次のように自分自身に問う。

「私は何処にいるのだろうか?」

「なぜここにいるのだろうか?」

 

 

この場所(Location)において、

ディメンション(次元)について、

自己に問いかけることが求められる。

なぜならば、私たちが気づかないうちに、

四次元、五次元にいる可能性があるからだ。

自然界には七つのディメンションがある。

三次元世界では、引力の法則に縛られている。

高次元の世界では空中浮揚の法則が作用している。

自分の居場所を観察する際には、

自然界の七つの次元への質問を決して忘れてはならない。

それゆえ次のような問い掛けをすることが適切である。

「私は何次元にいるのだろうか?」

そしてその時、次元を確かめるために空中に浮くつもりで、

出来る限り遠くへジャンプをしてみよう。

もし空中に浮かんだならば、

あなたは今、間違いなく肉体の外にいるということだ。

ベッドの上で肉体が眠るあいだ、

月の体に覆われたエゴと、その中に閉じ込められている魂は、

無意識のまま夢遊病者のように分子世界を彷徨い歩く。

このことを決して忘れてはならない。

 

 

注意を主体(S)客体(O)場所(L)に分割すること。

このワークが意識の目覚めを起こす。

ある叡智の学習者は、常日頃にこのワークを行っていた。

白昼、目が覚めている間、あらゆる瞬間に、

注意を三つのパートに分割して質問していた。

さらに彼は小さくジャンプするという、

前述のエクササイズを習慣づけていた。

その結果、肉体が眠りについている時にも、

同じように自分自身に問いかけるようになった。

ある日、彼は高次元の世界にいる時、

自分に問いかけ、軽くジャンプをしてみると、

空中にふんわりと浮いたのだ。

その時、彼の意識が覚醒した。

そして、肉体がベッドで眠っていることを理解した。

彼は喜びのうちに、高次元の世界を探求し、

「生と死の神秘」について研究したのである。

 

 

ポイント

このワークはシンプルで論理的だ。

注意を分割するエクササイズを一瞬一瞬実践する。

すると、このエクササイズが習慣化される。

マインド奥深くに力強く刻まれる。

その結果、睡眠中にも、

このエクササイズを自動的に繰り返すことになる。

睡眠中には私たちは肉体の外にいるため、

このワークは意識の覚醒を起こすのだ。

「ヘルメティック占星術の秘教論文」より

 6.覚醒意識  アートマ・ヴィディヤ

 

心理の革命的変化の三つの要素

私たちはカリユガ、暗黒の時代を生きている。

(カリユガ:自分が無知であることを理解できない)

多くの神秘学の学徒は知らぬうちに黒タントラの道に迷い込み、

本来の道(タオ ダルマ)から外れてしまっている。

誤った神秘学を信じて、正しい道を歩んでいると、

未熟さゆえに誰もが信じているが、

白ロッジのマスター(大師)の誰もが驚き呆れている。

大多数の学徒は、無知ゆえに、

ミステリー(大奥義)の神殿お扉を見つけだし、

その敷居を超えることは、容易いことと思い違いをしている。

「心理の革命的変化の三つの要素」なしでは、

誰もアートマ・ヴィディヤ(神聖な悟り)を達成できない。

まず第二の誕生に至る。

それからアートマ・ヴィディヤを達成できるのだ。

それはすなわち、「複数の我」の死によってのみ、

アートマ・ヴィディヤを達成できることを意味している。

そして人類への献身がなければ、

誰一人としてアートマ・ヴィディヤに到達できないだろう。

 

 

アートマ・ヴィディヤとは、

進化の法則によって与えられるものではない。

また、退化の法則によっても与えられない。

非常に困難な、心理的変革を通してのみ、

アートマ・ヴィディヤに至ることができる。

 

心理革命の道は、カミソリの刃の道である。

この道は極めて困難な道であり、

内にも外にも危険がいっぱいである。

この章では、心理的革命の三つの要素について、

段階的に勉強していこう。

ここで叡智の学習者は正しい道筋を得ることができる。

それゆえ読者の方には、

心理的革命の三要素の一つ一つを学ぶために、

細心の注意を払っていただきたい。

なぜならこの心理的ワークにおける成功は、

各三要素を深く理解することによって得られるからだ。

 

 

第二の誕生

第二の誕生とは全く性的な問題だ。

古代エジプトの人々は、

賢者の石(性)を象徴する、若く強壮な雄牛アピスを、

神に捧げ信仰の対象とした。

(アピス:古代エジプト都市メンフィスで信仰された聖なる牛。

エジプト神話の創造神であるプタハ神の化身。

プタハの牛には、全身に29の特徴があるとされた。訳注)

古代ギリシア人は、

エジプトのファラオによって霊的指導を受けていた。

それゆえ、彼らも賢者の石の象徴として雄牛を崇拝していた。

ギリシア神話の、クレタ島ミノタウロスに垣間見られる。

 

 

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覚醒意識

意識の目覚めは、

「自分自身を発見した時」に起こる。

意識の目覚めは、

5つのシリンダー(5つのセンター)で機能する、

人間という機械の中で「自分自身を発見した時」に起こる。

意識の目覚めは、

49段階の潜在意識の中で、自己を見失っている私達が、

「自分自身を発見した時」に起こる。

5つのシリンダーで動く、人間機械の中で、

私たちは「複数の我」の活動の中で、自分を見失っている。

「自分自身を発見」するためには、

潜在意識を目覚めさせることが必要だ。

 

このことは、

潜在意識の49段階において、

複数に存在する「我」を十分に理解する。

そうして初めて、それらを根絶できることを意味する。

「複数の我」を完全に撲滅した時にアートマ・ヴィディヤ

至高なる正覚、意識の目覚めを実現できる。

 

 

献身

献身にはいくつかの種類がある。

1.サトヴィックな献身

この献身は、行為の報酬を期待しないものである。

神の戒律を尊重し、敬虔な思いで行われる。

2.ラジャシックな献身

報酬を目当てとして行われる。

3.タマシックな献身

常に戒律に反して行われているもの。

信仰、祈りやマントラ、思いやりもなく、

人類へのいかなる愛も存在しない。

また司祭やグル(導師)に神聖な贈物を捧げることもない。

心理的革命の三番目の要素が「献身」である。

それはサトヴィックな献身のことである。

行為の結果を期待せず、報酬を望まないということであり、

純粋で誠実であり、私心のない献身、

他人のために自分の命を捧げ、何の見返りも要求しない。

 

 

「太陽ロゴスの法則」というものがある。

それは献身、自己犠牲という法則である。

新しい世界がケイオス(カオス混沌)から生み出されるならば、

ロゴス(言葉 キリスト)は自分自身を十字架にかける。

このようにして、すべての被造物が生命を得て豊穣になる。

(一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、

それは一粒のままです。しかし、もし死ねば、

豊かな実を結びます。

自分のいのちを愛する者はそれを失い、

この世で自分のいのちを憎む者はそれを保って、

永遠のいのちに至るのです。

ヨハネ福音書12:24~25 訳注)

人類のために自分を犠牲にするものは、

金星のイニシエーションに到達する。

金星のイニシエーションとは、

その人のうちにキリストが具現化することである。

人類はこのことを知る必要がある。

 

 

生と死の神秘について多くの人は何も知らない。

誕生という神秘について話そう。

二つの道が存在する。

人類には二つの道が用意されている。

それは右の道と左の道である。

右の道とは、今生のうちに一瞬一瞬に、

「複数の我に死ぬ」という決断をして、

「我」を根絶、溶解する人々の道である。

これは白タントラの道である。

左の道は黒タントラの道である。

人類の多くは知らぬうちにこの道を歩んでいる。

 

この黒タントラの道では、

一瞬一瞬に、「複数の我に死ぬ」代わりに、

「月の体」において「我」を増大させる道である。

左の道を歩む大多数の人類は、

マルト、あるいはトラムと化してしまう。

それはすなわち、ハナスムッセンである。

 

 

輪廻転生から最終的解放を望む者は、

今生のうちに一瞬一瞬に、「我に死ぬ」ことが求められる。

「我」を根絶、自分に死ぬことによってのみ、

私たちは自分自身を完徳に満ちた天使に変えられるのだ。

月の体:人類の体は完成されていない。

神智学が教える7つの体は未完成の月の体である。

「我」を根絶して「空」を達成して初めて、

知恵(ソフィア クンダリーニ)に満たされて、

霊は完成する。これが黄金の体であり、

チベット密教で教える虹の体である。

この時人はブッダになる。

その後、釈迦のように、ニルバーナを放棄して、

人類に教えを授ける人物は金星のイニシエーションを受け、

クリストになる。

ヨルダン川でのキリストの洗礼は、

このイニシエーションを象徴している。 

ハナスムッセン:

死後も「複数の我」を持つ存在。聖なる母の流産とも言える。

霊が完成されていないために、

霊的な汚れ(業カルマ、悪意の度合い)により、

第二の死(地獄とも言われる別世界)に行くか、

カルマの法則により輪廻転生の輪から逃れられない。訳注)

 

 

(訳注:多くの神秘学の教えでは、

霊体について間違った情報を教えています。

人間の霊体は完成されていません。

完成された霊体は、

ト・ソマ・エリアコン、ト・ソマ・プチコンという名前で、

カッバラーの大奥義で呼ばれています。

詳細はここでは記述する余裕がないので割愛します。

参考までに聖書から引用しておきます。

そこで、王は言った。

『あなたは、どうして礼服を着ないで、

ここにはいって来たのですか。』しかし、彼は黙っていた。

そこで、王はしもべたちに、

『あれの手足を縛って、外の暗やみに放り出せ。

そこで泣いて歯ぎしりするのだ。』と言った。

招待される者は多いが、選ばれる者は少ないのです。

マタ福音書22:1~14 参照

植物の瞑想エクササイズ

  

このエクササイズは、

想像力を通して知識を得る方法である。

超視覚を開発する非常に効果的な方法である。

エクササイズ1

好きな植物を選びその前に座る。

周囲の物事すべてを忘れて、目の前の対象に意識を集中する。

次に目を閉じて、微睡みの状態になる。

想像力を用いて、その植物の形や枝葉の様子、

構造や香り、色などをありありと思い浮かべる。

植物の生きた細胞を思い浮かべてもよい。

植物の細胞は原形質、膜、核から構成されている。

原形質はどろどろした柔らかい透明な物質であり、

卵の白身(蛋白質)によく似ている。

学徒は微睡みの状態のまま、

この原形質の主要な四つの要素について思いを巡らす。

それは炭素、酸素、水素、窒素の四つである。

(COHNの4元素)

 

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細胞膜も透明に近い物質で、水に溶けない。

つまりセルロースである。

十分に原形質に意識を集中して、

細胞の核を思い描き、

それを偉大なる宇宙生命を宿して鼓動している、

小さな血球であるかのように想像する。

その核の中には、染色体核液、核小体(仁)が存在する。

それらすべては核膜に包まれている。

核小体(仁)は極小の粒子であり、

それは眩いばかりの美しさに満ちている。

この輝くエネルギーは、

植物器官が行う生命活動によって生み出されている。

 

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深い集中のなかで、

論理的思考を交えながら、

植物細胞の原形質の有り様に心をめぐらし、

無機物や有機物の結合の中で、

細胞が調和的に活動している様をイメージする。

原形質のでんぷん粒や、クロロフィルについて考えてみよう。

これらは有機的システムにとって無くてはならないものだ。

クロロフィル自体はざらざらした表面を持ち、

とてもきれいな黄色をしている。

クロロフィル (Chlorophyll):

光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ。葉緑素

陽光のもとで、それは美しい青葉の色に変わる。

一つ一つの完全な細胞によって構成される植物とは、

本当に驚くべき存在である。

植物の完璧な様相と科学的なプロセスについて、

神秘的な至福感と美しさゆえの喜びに満たされながら、

学徒は瞑想しなさい。

植物細胞が営む光合成、エネルギー変換、

再生の現象をありありとイメージすると、

瞑想者は神秘のエクスタシーに達するだろう。

 

 

エクササイズ2

花の萼(がく)を観察してみよう。

それは植物の性器官である。

雄しべには生殖のための花粉が見られる。

また重要な器官である、雌しべ、

そこには子房、花柱、柱頭などが見られる。

子房には胚珠が袋状に蓄えられている。

雄しべには様々な種類があり、

上からも下からも雌しべを取り囲むようにして生殖活動を行う。

つまり雌雄の蕊(しべ)により受粉つまり生殖が行われる。

 

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雄の生殖体である花粉は、

雄しべから出た後、雌しべの柱頭に至る。

最後には珠の詰まった子房まで辿り着く。

雌の生殖体も花粉をじっと待っている。

種子はその貴重な珠が受精したものであり、

地上に落ちると芽を出し、成長して新しい生命となる。

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エクササイズ3

植物の小さな種子を思い浮かべる。

種子がゆっくりと成長する様をイメージする。

想像力を用いて、

枝葉が伸び、花が咲き出していく過程を思い描く。

植物の誕生から死に至る過程をありありと見ていこう。

植物の死の過程も想像していく。

花々がしおれ散り、葉が枯れていく。

そして風に飛ばされてしまう様子を思い描く

最後にそこに残るのは、朽ち果てた木々だけである。

 

 

生と死の過程は驚くべきものだ。

植物の生と死の過程を、そして命の不思議について、

瞑想することによって、集中が完全なものになり、

意識を保ちながら微睡み(半覚醒)が深くなった時、

アストラル体のチャクラが回転し動き出し発達する。

瞑想は正確に行うことが求められる。

そしてマインドは厳格でなければならない。

内なる感覚が、究極の完全さを得るためには、

論理的な思考と、正確な概念が不可欠である。

 

 

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この瞑想には大いなる忍耐が求められる。

我慢できずに辞めてしまうことは失敗を意味する。

忍耐力、意志力、粘り強さ、

そして絶対的な信仰心が要求される。

ある日、瞑想をしている最中に、

夢の中で見知らぬ光景が突然現れるだろう。

見慣れぬ風景や人の顔なども登場する。

これらは霊的進歩のしるしである。

知恵を獲得する、想像力の能力が向上したことを意味する。

このようにして、瞑想者はイシス(エジプトの女神)の、

神秘のベールを外して知恵を得ていく。

ある日ある時、対象としていた植物は消えて、

それに代わり、美しい子供を見ることになる。

この子供こそ植物の精であり、植物の霊である。

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やがて、眠りの最中でも意識が目覚めるようになる。

「私はアストラル体でいるのだ。」とその時彼は言うだろう。

この瞑想を続けていくと、途切れることのない意識、

覚醒した意識を手に入れられるのだ。

論文「内分泌腺と犯罪学との関係性」より

 

 

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