明らかにされたクリヤヨガ

伝統的なヨーガの情報とクリヤヨガの技法をお伝えします

伝統的なヨーガの教えとクリヤヨガ の技法をお伝えします

 6.覚醒意識  アートマ・ヴィディヤ

 

心理の革命的変化の三つの要素

私たちはカリユガ、暗黒の時代を生きている。

(カリユガ:自分が無知であることを理解できない)

多くの神秘学の学徒は知らぬうちに黒タントラの道に迷い込み、

本来の道(タオ ダルマ)から外れてしまっている。

誤った神秘学を信じて、正しい道を歩んでいると、

未熟さゆえに誰もが信じているが、

白ロッジのマスター(大師)の誰もが驚き呆れている。

大多数の学徒は、無知ゆえに、

ミステリー(大奥義)の神殿お扉を見つけだし、

その敷居を超えることは、容易いことと思い違いをしている。

「心理の革命的変化の三つの要素」なしでは、

誰もアートマ・ヴィディヤ(神聖な悟り)を達成できない。

まず第二の誕生に至る。

それからアートマ・ヴィディヤを達成できるのだ。

それはすなわち、「複数の我」の死によってのみ、

アートマ・ヴィディヤを達成できることを意味している。

そして人類への献身がなければ、

誰一人としてアートマ・ヴィディヤに到達できないだろう。

 

 

アートマ・ヴィディヤとは、

進化の法則によって与えられるものではない。

また、退化の法則によっても与えられない。

非常に困難な、心理的変革を通してのみ、

アートマ・ヴィディヤに至ることができる。

 

心理革命の道は、カミソリの刃の道である。

この道は極めて困難な道であり、

内にも外にも危険がいっぱいである。

この章では、心理的革命の三つの要素について、

段階的に勉強していこう。

ここで叡智の学習者は正しい道筋を得ることができる。

それゆえ読者の方には、

心理的革命の三要素の一つ一つを学ぶために、

細心の注意を払っていただきたい。

なぜならこの心理的ワークにおける成功は、

各三要素を深く理解することによって得られるからだ。

 

 

第二の誕生

第二の誕生とは全く性的な問題だ。

古代エジプトの人々は、

賢者の石(性)を象徴する、若く強壮な雄牛アピスを、

神に捧げ信仰の対象とした。

(アピス:古代エジプト都市メンフィスで信仰された聖なる牛。

エジプト神話の創造神であるプタハ神の化身。

プタハの牛には、全身に29の特徴があるとされた。訳注)

古代ギリシア人は、

エジプトのファラオによって霊的指導を受けていた。

それゆえ、彼らも賢者の石の象徴として雄牛を崇拝していた。

ギリシア神話の、クレタ島ミノタウロスに垣間見られる。

 

 

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覚醒意識

意識の目覚めは、

「自分自身を発見した時」に起こる。

意識の目覚めは、

5つのシリンダー(5つのセンター)で機能する、

人間という機械の中で「自分自身を発見した時」に起こる。

意識の目覚めは、

49段階の潜在意識の中で、自己を見失っている私達が、

「自分自身を発見した時」に起こる。

5つのシリンダーで動く、人間機械の中で、

私たちは「複数の我」の活動の中で、自分を見失っている。

「自分自身を発見」するためには、

潜在意識を目覚めさせることが必要だ。

 

このことは、

潜在意識の49段階において、

複数に存在する「我」を十分に理解する。

そうして初めて、それらを根絶できることを意味する。

「複数の我」を完全に撲滅した時にアートマ・ヴィディヤ

至高なる正覚、意識の目覚めを実現できる。

 

 

献身

献身にはいくつかの種類がある。

1.サトヴィックな献身

この献身は、行為の報酬を期待しないものである。

神の戒律を尊重し、敬虔な思いで行われる。

2.ラジャシックな献身

報酬を目当てとして行われる。

3.タマシックな献身

常に戒律に反して行われているもの。

信仰、祈りやマントラ、思いやりもなく、

人類へのいかなる愛も存在しない。

また司祭やグル(導師)に神聖な贈物を捧げることもない。

心理的革命の三番目の要素が「献身」である。

それはサトヴィックな献身のことである。

行為の結果を期待せず、報酬を望まないということであり、

純粋で誠実であり、私心のない献身、

他人のために自分の命を捧げ、何の見返りも要求しない。

 

 

「太陽ロゴスの法則」というものがある。

それは献身、自己犠牲という法則である。

新しい世界がケイオス(カオス混沌)から生み出されるならば、

ロゴス(言葉 キリスト)は自分自身を十字架にかける。

このようにして、すべての被造物が生命を得て豊穣になる。

(一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、

それは一粒のままです。しかし、もし死ねば、

豊かな実を結びます。

自分のいのちを愛する者はそれを失い、

この世で自分のいのちを憎む者はそれを保って、

永遠のいのちに至るのです。

ヨハネ福音書12:24~25 訳注)

人類のために自分を犠牲にするものは、

金星のイニシエーションに到達する。

金星のイニシエーションとは、

その人のうちにキリストが具現化することである。

人類はこのことを知る必要がある。

 

 

生と死の神秘について多くの人は何も知らない。

誕生という神秘について話そう。

二つの道が存在する。

人類には二つの道が用意されている。

それは右の道と左の道である。

右の道とは、今生のうちに一瞬一瞬に、

「複数の我に死ぬ」という決断をして、

「我」を根絶、溶解する人々の道である。

これは白タントラの道である。

左の道は黒タントラの道である。

人類の多くは知らぬうちにこの道を歩んでいる。

 

この黒タントラの道では、

一瞬一瞬に、「複数の我に死ぬ」代わりに、

「月の体」において「我」を増大させる道である。

左の道を歩む大多数の人類は、

マルト、あるいはトラムと化してしまう。

それはすなわち、ハナスムッセンである。

 

 

輪廻転生から最終的解放を望む者は、

今生のうちに一瞬一瞬に、「我に死ぬ」ことが求められる。

「我」を根絶、自分に死ぬことによってのみ、

私たちは自分自身を完徳に満ちた天使に変えられるのだ。

月の体:人類の体は完成されていない。

神智学が教える7つの体は未完成の月の体である。

「我」を根絶して「空」を達成して初めて、

知恵(ソフィア クンダリーニ)に満たされて、

霊は完成する。これが黄金の体であり、

チベット密教で教える虹の体である。

この時人はブッダになる。

その後、釈迦のように、ニルバーナを放棄して、

人類に教えを授ける人物は金星のイニシエーションを受け、

クリストになる。

ヨルダン川でのキリストの洗礼は、

このイニシエーションを象徴している。 

ハナスムッセン:

死後も「複数の我」を持つ存在。聖なる母の流産とも言える。

霊が完成されていないために、

霊的な汚れ(業カルマ、悪意の度合い)により、

第二の死(地獄とも言われる別世界)に行くか、

カルマの法則により輪廻転生の輪から逃れられない。訳注)

 

 

(訳注:多くの神秘学の教えでは、

霊体について間違った情報を教えています。

人間の霊体は完成されていません。

完成された霊体は、

ト・ソマ・エリアコン、ト・ソマ・プチコンという名前で、

カッバラーの大奥義で呼ばれています。

詳細はここでは記述する余裕がないので割愛します。

参考までに聖書から引用しておきます。

そこで、王は言った。

『あなたは、どうして礼服を着ないで、

ここにはいって来たのですか。』しかし、彼は黙っていた。

そこで、王はしもべたちに、

『あれの手足を縛って、外の暗やみに放り出せ。

そこで泣いて歯ぎしりするのだ。』と言った。

招待される者は多いが、選ばれる者は少ないのです。

マタ福音書22:1~14 参照

植物の瞑想エクササイズ

  

このエクササイズは、

想像力を通して知識を得る方法である。

超視覚を開発する非常に効果的な方法である。

エクササイズ1

好きな植物を選びその前に座る。

周囲の物事すべてを忘れて、目の前の対象に意識を集中する。

次に目を閉じて、微睡みの状態になる。

想像力を用いて、その植物の形や枝葉の様子、

構造や香り、色などをありありと思い浮かべる。

植物の生きた細胞を思い浮かべてもよい。

植物の細胞は原形質、膜、核から構成されている。

原形質はどろどろした柔らかい透明な物質であり、

卵の白身(蛋白質)によく似ている。

学徒は微睡みの状態のまま、

この原形質の主要な四つの要素について思いを巡らす。

それは炭素、酸素、水素、窒素の四つである。

(COHNの4元素)

 

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細胞膜も透明に近い物質で、水に溶けない。

つまりセルロースである。

十分に原形質に意識を集中して、

細胞の核を思い描き、

それを偉大なる宇宙生命を宿して鼓動している、

小さな血球であるかのように想像する。

その核の中には、染色体核液、核小体(仁)が存在する。

それらすべては核膜に包まれている。

核小体(仁)は極小の粒子であり、

それは眩いばかりの美しさに満ちている。

この輝くエネルギーは、

植物器官が行う生命活動によって生み出されている。

 

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深い集中のなかで、

論理的思考を交えながら、

植物細胞の原形質の有り様に心をめぐらし、

無機物や有機物の結合の中で、

細胞が調和的に活動している様をイメージする。

原形質のでんぷん粒や、クロロフィルについて考えてみよう。

これらは有機的システムにとって無くてはならないものだ。

クロロフィル自体はざらざらした表面を持ち、

とてもきれいな黄色をしている。

クロロフィル (Chlorophyll):

光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ。葉緑素

陽光のもとで、それは美しい青葉の色に変わる。

一つ一つの完全な細胞によって構成される植物とは、

本当に驚くべき存在である。

植物の完璧な様相と科学的なプロセスについて、

神秘的な至福感と美しさゆえの喜びに満たされながら、

学徒は瞑想しなさい。

植物細胞が営む光合成、エネルギー変換、

再生の現象をありありとイメージすると、

瞑想者は神秘のエクスタシーに達するだろう。

 

 

エクササイズ2

花の萼(がく)を観察してみよう。

それは植物の性器官である。

雄しべには生殖のための花粉が見られる。

また重要な器官である、雌しべ、

そこには子房、花柱、柱頭などが見られる。

子房には胚珠が袋状に蓄えられている。

雄しべには様々な種類があり、

上からも下からも雌しべを取り囲むようにして生殖活動を行う。

つまり雌雄の蕊(しべ)により受粉つまり生殖が行われる。

 

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雄の生殖体である花粉は、

雄しべから出た後、雌しべの柱頭に至る。

最後には珠の詰まった子房まで辿り着く。

雌の生殖体も花粉をじっと待っている。

種子はその貴重な珠が受精したものであり、

地上に落ちると芽を出し、成長して新しい生命となる。

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エクササイズ3

植物の小さな種子を思い浮かべる。

種子がゆっくりと成長する様をイメージする。

想像力を用いて、

枝葉が伸び、花が咲き出していく過程を思い描く。

植物の誕生から死に至る過程をありありと見ていこう。

植物の死の過程も想像していく。

花々がしおれ散り、葉が枯れていく。

そして風に飛ばされてしまう様子を思い描く

最後にそこに残るのは、朽ち果てた木々だけである。

 

 

生と死の過程は驚くべきものだ。

植物の生と死の過程を、そして命の不思議について、

瞑想することによって、集中が完全なものになり、

意識を保ちながら微睡み(半覚醒)が深くなった時、

アストラル体のチャクラが回転し動き出し発達する。

瞑想は正確に行うことが求められる。

そしてマインドは厳格でなければならない。

内なる感覚が、究極の完全さを得るためには、

論理的な思考と、正確な概念が不可欠である。

 

 

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この瞑想には大いなる忍耐が求められる。

我慢できずに辞めてしまうことは失敗を意味する。

忍耐力、意志力、粘り強さ、

そして絶対的な信仰心が要求される。

ある日、瞑想をしている最中に、

夢の中で見知らぬ光景が突然現れるだろう。

見慣れぬ風景や人の顔なども登場する。

これらは霊的進歩のしるしである。

知恵を獲得する、想像力の能力が向上したことを意味する。

このようにして、瞑想者はイシス(エジプトの女神)の、

神秘のベールを外して知恵を得ていく。

ある日ある時、対象としていた植物は消えて、

それに代わり、美しい子供を見ることになる。

この子供こそ植物の精であり、植物の霊である。

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やがて、眠りの最中でも意識が目覚めるようになる。

「私はアストラル体でいるのだ。」とその時彼は言うだろう。

この瞑想を続けていくと、途切れることのない意識、

覚醒した意識を手に入れられるのだ。

論文「内分泌腺と犯罪学との関係性」より

 

 

主の祈りとハートチャクラ

  

心からの祈りを用いた瞑想のエクササイズを説明しよう。

 

「主の祈り」をお勧めする。

「私たちの父」への心からの祈りは、

一時間の瞑想に相当する。

祈りなさい。祈りを一時間続けるのだ。

祈りとは神との対話である。

心の中で神と対話しながら、深い眠りと瞑想に入りなさい。

「主の祈り」のそれぞれの行には、

父と会話するための「完全なる成句」だ。

祈りながら意識を保ちながら眠りなさい。

そして各々の行の内容について瞑想しなさい。

そのようにして、

「秘密の内に在わす父」の姿を見、声を聴く。

このようにして、ハートチャクラが目覚める。

『実践魔術マニュアル』より

ハートチャクラ:心臓に位置するアナハタチャクラ。 訳注

 

 

マントラ「OMNIS JAUM INTIMO」オムニス・イアウム・インティモ

 

「OMNIS JAUM INTIMO」のマントラは、

インティモ(内なる神)と会話するときに用いられる。

このマントラは心の中で唱える。

インティモを崇拝しながら眠りに入り、

心の中で「OMNIS JAUM INTIMO」を唱える。

このようにして自分のインティモと話すことができる。

インティモは夢の中で、学徒の前に姿を現す。

『実践魔術マニュアル』より

 

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知性を開発するマントラ

AUM AH RAH BAT SAH MAH DI DI DI

このマントラを用いて知性が開発できる。

次のように発音する。

アーウーム アーラー バット 

サーマー ディーディーディー

(解説:RAHのラーは巻き舌で発音する。

BATはバット!と叩きつけるように発音する。

DIは奇数回唱える。5回もしくは7回でも良い。

 

 

パラジナ・パラミタ(般若波羅蜜多)

 

このマントラは、とてもシンプルなものだ。

GATE GATE PARAGATE PARA SAMGATE BODT SWAH HAH

ガテーガテー パーラーガテー

パーラサンガテー

ボーディスヴァーハー

(般若心経の最後のサンスクリット語です。

羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶  

ぎゃーてい ぎゃーてい はらぎゃーてい

はらそうぎゃーてい ぼーじーそわかー。訳注)

 

このマントラを記憶しなさい。

心の中で優しく、深く、響くようにこのマントラ唱える。

このマントラは「無声マントラ」としても用いられる。

マントラの発声方法には

声に出す方法と、心の中で唱える二つの方法がある。

心の中で唱える方法は非常に力強い。

(訳注:インドの伝統的な方法は以下のようにする。

最初に大きな声で唱えて、徐々に小声にし、

最後は囁き声にしてから無声になり、心の中で唱え続ける。)

 

 

このマントラはダンマの目を開く。

この修行により、

ある日ある時、あなたは無我の状態になり、

正覚の「空」を体験するだろう。

あなたはシューニャター「空」が何であるかを知る。

プラッギャー・パーラミターを理解できるだろう。

(解説:

ダンマの目:ブラフマンの目

ハスラーラが開花した状態

 

プラッギャー・パーラミター:

サンスクリット語を漢語に音写したのが、

般若波羅蜜多」智慧の完成の精髄を意味する。)

 

あなたに必要なのは根気だけだ。

このマントラによって、遠く彼方の世界に飛び立てる。

この修行により「偉大なる真実」をいつか体験する。

それはとても有益なことだ。

シューニャター「空」に到達することで、

「偉大なる真実」を体験する

それは、悟りを得るために、自我と闘うための勇気を、

十分に与えてくれる。

明らかにして起きたい。

あなたが瞑想やマントラを実習するのであれば、

必ずその恩恵を受けている。

さあマントラを唱えて、しばし瞑想に入り、

「偉大なる真実」シューニャター「空」に到達しよう。

 

 

ラクティス

横になるか、坐法で楽な姿勢をとる。

いままで伝えたリラックス方法を用いて瞑想状態に入る。

心身を完全にリラックスさせよう。

 

瞑想状態に深く入っていく。

目を閉じ、さらに心身をリラックスさせて、

さらに深い瞑想に入っていく。

自分の全存在を、内なる神に委ねるのである。

このとき、いかなる些細な考えも許さない。

内なる神に完全に委ね切り、

ハートにはマントラだけを響かせるようにする。

 

 

ポイント

・明かりを消して、心身をリラックスする。

・奥深いところ在わす内なる神にすべてを委ねる。

・何も考えてはならない。一切考えてはならない。

マントラを暗記して何度も繰り返す。

 

GATE GATE PARAGATE PARA SAMGATE BODT SWAH HAH

ガテーガテー パーラーガテー

パーラサンガテー

ボーディスヴァーハー

 

・心の中で何も考えずマントラを繰り返しなさい。

・死体にでもなったかのように、

死んでしまったかのように感じなさい。

「少数の人のために」より

 

 

主の祈り

 

 

救世主イエス・キリストが教えた「主の祈り」には、

心臓のチャクラを覚醒させる絶大な魔力がある。

祈りとは「神との語らい」である。

「主の祈り」は、神との語らいを容易くする。

 

ラクティス

 

身体を横にしてリラックスしよう。

マインドから、全てのこの世的な関心事を追い払う。

そして、ごくゆっくりと数時間、

「主の祈り」のそれぞれの語句や節について瞑想。

まさに、天にまします父に語りかけるように行う。

この実践の間、熟睡するとよいだろう。

そうすると、

天にまします父が、夢の中に姿を現し、

父と親しく語らうことができる。

天の父は、あるヴィジョンを見せるかもしれない。

それを頭ではなく、ハートで解釈することを学びなさい。

このようにして、学徒は神と語らう。

『実践魔術マニュアル』より

 

 

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主の祈り

天におられるわたしたちの父よ、

み名が聖とされますように。

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。

わたしたちも人をゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

アーメン。

悟り「空」に至る

悟り「空」に至る

HAM-SAH

東洋の秘教の系譜では、

マントラ「HAM-SAH」(ハムサー)は、

生命の混沌の水(第三ロゴス)を、

受胎させる驚くべきシンボルとして伝えられてきた。

 

(生命の混沌の水:宇宙創造のエネルギーであり、

シャクティー、クンダリーニである。

神の言葉、OMにより、

第三ロゴスから世界は生まれた。

現在、人類の性エネルギーの流れは逆転しているため、

SO-HAMという音を奏でている。

これを逆転させるとHAM-SAHとなる。訳注)

 

このマントラの発声の方法と、

この技法により、どのような力が得られるのか、

について知ることは大変重要である。

 

 

通常、性的な力というものは、

内側から遠心力によって外側へ流れている。

その結果、

性センター(ムラダーラ)をベースとした夢を見たとき、

夢精(射精、オルガズム)が起こるのだ。

もし、人が自分の性機能をコントロールして、

遠心的システムの代わりに、

求心的システムを用いるならば、

すなわち性エネルギー変換(性エネルギー昇華)によって、

自分の性的な力の流れを、

外へ向かうものから、内へと向かうものへと変えるなら、

たとえエロティックな夢を見たとしても、

夢精することは無くなるだろう。

 

夢精を止めたければ、

性エネルギーのコントロール方法を学ぶべきである。

日常の食べ物、プラーナ、生活の態度が、

性エネルギーと重要な関係があることを知るべきだ。

また、呼吸と性エネルギーには密接な関係がある。

呼吸と性エネルギーに正しく働きかけて調和させよう。

そうすれば、心身両面において根本的な変化が起きる。

 

 

ラクティスの手順

 

この瞑想では、創造的なエネルギーが、

活動しているのをイメージしなければならない。

マントラ「HAM-SAH」をリズミカルに唱えながら、

創造的エネルギーを脳にまで上昇させる。

忘れてならないことは、

イメージと共鳴させながら、呼吸を行うことである。

集中、呼吸とイメージの調和、一定のリズム、

これらがポイントとなる。

 

「ゆっくりと息を吸い、呼気よりも長くする。」

なぜならば、

外側へ流れている創造的エネルギー(性エネルギー)を、

内側への流れに逆転させなければならないからだ。

言い換えるならば、

「呼気は吸気よりも短くする。」

ことが大事である。

 

 

このプラクティスを実践するなら、

ある日、すべての創造的エネルギーが、

外側から内側へ、そして下から上へと、

求心的な方向に流れるように変化するだろう。

ラクティスの実践によって、

上質に変換された性エネルギーは、

崇高なエッセンス(魂)の栄養となり、

高等な意識を目覚めさせる。

 

 

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実践

ラクティスの間は、目を閉じておく。

瞑想の行う間は、いかなる想いも心から完全に締め出す。

しかしながら、あいにくのところ、

心の中に欲望が湧いてくるのは避けられない。

そのような時、最も良いのは、

一旦「HAM-SAH」を中断し、

欲望と自分を同一視することなく調査研究することだ。

例えば、情欲が湧いてきて、

その欲望の存在理由について、徹底的に深く理解する。

その上で「HAM-SAH」を再開する。

そうすれば、もはや情欲は姿を現さない。

それはその欲望が死に屈したということであり、

エロスの槍(クンダリーニ)によって、

最後のプラクリティまで分解されたということだ。

 

 

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怒りにまつわる記憶に繰り返し苦しむ時、

瞑想を中断し、マインドを襲う出来事を理解する。

それを自己批判の鋭いメスで解剖し、調べ分解する。

次はそれを忘れ、「HAM-SAH」の瞑想呼吸を続ける。

 

昔の出来事が思い起こされるなら、

同じように、その記憶の中にある真の意味を見よう。

自己批判のメスを用いて記憶を分解する。

マインドが空になり、空で満たされた時、

心を無にしたまま「HAM-SAH」の瞑想呼吸を続けよう。

マントラを穏やかに繰り返し響かせる。

吸う息はより長く、吐く息はより短くしていく。

 

HHHHAAAAAAMMMM-SAHハーム サー

 

 

このようにして、

完全な静寂、心の寂滅が起き、エッセンスが解放され、

ほんの束の間、リアリティー(真実)に没入できるだろう。

(ニルヴィカルパ・サマディといわれる状態)

悟りの「空」、シューニャターのなかで、

真実の世界がどのようなものか、日頃見えているものと、

どのように違うかを身をもって理解するだろう。

このようにして、

蟻の世界から、太陽や彗星などの広大な世界に至るまで、

そのリアリティー(真実の世界)を確かめることができる。

アクエリアスアバターラの教養」より

 

 

 肉体からの遊離Ⅱ

 

  インティモ(魂)との融合

ノスティック(叡智の実践者)にとって、瞑想とは秘教的訓練である。

瞑想には三つのフェーズ(段階)が存在する。

1.集中

2.瞑想

3.サマディー(法悦)

集中とは、心の焦点を一つの事柄に合わせることである。

瞑想とは、その事柄の本質的内容について熟慮することである。

サマディーでは、人はエクスタシー、法悦、恍惚に至る。

サマディーをマスターした人は意識層に深く浸透して、

宇宙の驚異をダンマの目を通して詳しく調査できる。

(ダンマの目:アデプト(サマディの達人)の魂の視力のこと 訳注)

学徒は以下のエクササイズを実践することにより、

サマディーの

段階に達することができる。

 

 

  エクササイズ

両腕を胸のところで交差させる。右腕が上になるようにする。

ベッドに横になり、リラックスする。

自分の肉体について深く瞑想をしていこう。

次のように自分自身に言い聞かせる。

「この肉体は私ではない。」

次に自身のエーテル体を深く瞑想して、

自分自身に言う。「このエーテル体は私ではない。」

その後、深い瞑想に沈みながら、自分のアストラル体に集中し、

「このアストラル体は私ではない。」と言う。

さらに、自分のメンタル体について瞑想し、

「考えているこのマインドも私ではない。」と言う。

そして自分の意志の力に集中し、

「この意志体(コーザル体)も私ではない。」と言う。

その後、自分の意識について瞑想し、

「私は意識(ブッディ)でもない」と言う。

そして最後に、深い瞑想状態に没入して、

心の奥底から自分自身に向かって叫ぶ。

「私はインティモだ!私はインティモだ!私はインティモだ!」

 

 

このようにして学習者は、霊のすべての乗り物を捨て、

全能者であるインティモと融合できる。

そのとき、思考する必要がないことを理解する。

なぜならインティモの智恵は、

「イエス、イエス、イエス。」であるから。

 

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学習者はまた、「インティモの本質」は究極の幸福であり、

完全なる存在、完全な叡智であることを理解する。

このような至福の瞬間において、

過去、未来、時の流れが、

永遠である「現在」の中に、

偉大なる「宇宙の昼」の中に、

偉大なる「宇宙の夜」の中に溶けており、

全てが永遠なる一瞬のうちに繰り広げられている。

このことを理解するだろう。

『火のバラ』より

 

 

瞑想のステップについて

 

インティモについての瞑想

 

アストラル体で、肉体の外へ離脱できない理由は、

すでにその能力を失ったからである。

瞑想を毎日行い、その能力を回復しなければならない。

瞑想とは、霊的な情報を受け取るための科学的方法である。

 

瞑想には、次の四つの段階がある。

アーサナ(坐法)

ダーラナ(集中)

ディヤーナ(瞑想)

サマディー(法悦)

 

これら4つのステップについて説明しよう。

 

 

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アーサナ:心身を完全にリラックスした状態にする。

・ダーラナ:「世俗的想いは寺院の門前で死ぬべきである。」

あらゆる類の、この世的な雑念を、マインドから遠ざけよう。

ただ内側に、インティモにのみ、

マインドを集中させなければならない。

 

ディヤーナ:インティモを瞑想する。インティモとは魂である。

「あなたがたの肉体は、生ける神の宮であって、

至高なるものが自分の内に宿っていることを思い出しなさい。」

(コリント人への第一の手紙4:16)

学徒は自分のインティモと話そうとしながら、

瞑想中に微睡みを誘い、その後深い眠りに入るべきである。

 

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サマディー:
インティモを瞑想しながら眠りに入る。

(この時、通常の眠りと違い意識は失わない  訳注)

学習者はサマディーに入ることで、

夢見心地の中で不可思議なものを見聞きし、

天使たちと親しげに会話をすることだろう。

意識は無知の眠りの中にいる。

誰も自分の意識が眠りこけているに気づきもしない。

この方法を用いて、読者は永い眠りから、

意識を目覚めさせることができる。

この道を歩むのであれば、

主知主義という、理論による虚しい争いで、

自らの心と感情を害する道を回避できるだろう。

そして、真実という、聖なる叡智を手に入れるのだ。

瞑想とは、賢者の日用の糧である。

『実践魔術マニュアル』より

 

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